イチボとはどこの部位のお肉?味や特徴・ほかのお肉との違いを紹介

イチボ

焼肉店などで、イチボという部位のお肉を目にしたことはないでしょうか。しかし、イチボがどこのお肉の部位でどんな味わいをしているか具体的に知っている人は、少ないかもしれません。イチボの特徴やほかのお肉との違いを知っておくことで、新たな肉の楽しみ方を広げることができますよ。今回は、牛肉の部位であるイチボのカロリーや味などの特徴について解説していきます。

 

牛肉の部位の「イチボ」とは

牛肉の部位であるイチボとは、牛のお尻の先にあるもも肉にあたる部位のことです。牛のもも肉は人間の下半身に該当する部位であり、運動量が多いため硬いお肉が多いです。しかし、イチボはお尻に近いお肉なので、もも肉の中では一番霜降りが多く柔らかな特徴があります。

イチボは、牛1頭あたりから2〜4kg程度しかとれない希少部位です。すべての焼肉店などで扱っているわけではなく、見つけたらラッキーだといえます。

イチボの名前の由来は、牛のお尻の骨がアルファベットの「H」に似ており、「aitchbone(エイチボーン)」と呼ばれていたことから転じてイチボになったといわれています。

イチボのカロリー

イチボのカロリーは、100gあたり約230kcalです。ほかの部位のお肉と比べると、比較的カロリーが低く、ヘルシーに食べることができます。

 

<ほかの部位のカロリー>

  • 和牛カルビ:100gあたり約520kcal
  • 和牛肩ロース:100gあたり約410kcal
  • 牛ハラミ:100gあたり約320kcal
  • ミスジ:100gあたり約200kcal

 

カロリーを気にして赤身肉を食べるのに躊躇している人は、カルビやロースの半分程度のカロリーのイチボを選んでみてはいかがでしょうか。

 

イチボの特徴

イチボの味や肉質の特徴は、以下のとおりです。

イチボの風味

イチボの風味の特徴は、赤身肉の旨みと脂の甘みのバランスにあります。赤身肉特有の肉を感じる旨みと、サーロインのような絶妙な霜降りの甘みをどちらも感じられるイチボは、非常に贅沢な部位であるといえます。ジューシーなのにあっさりしているため、カロリーが高いほかの赤身肉と比べると、たくさんの量を食べることも可能です。

イチボの肉質

イチボには適度に脂がのっているため、柔らかさの中に赤身肉のしっかりした歯応えを感じることができる部位です。噛めば噛むほどに、肉本来の旨みを味わうことができます。ほかの牛のもも肉と比べると硬さが少ないため、子どもから年配の方でも食べることができる部位のお肉です。

 

イチボに似ているほかのお肉

イチボには、いくつかの似ている部位が存在します。ここからは、イチボと比較されがちな3つの部位のお肉との違いについて解説していきます。

 

  • サーロイン
  • ランプ
  • ミスジ

 

サーロイン

サーロインはステーキによく使われる牛肉の代表ともいえる部位のひとつであり、牛の腰にあたる部位のお肉です。焼肉では、ロースと呼ばれることもあります。そんなお肉の代表格であるサーロインとイチボは、赤身と霜降りのバランスが似ているといわれることが多いです。ただし、サーロインの方が脂の量もカロリーも高く、イチボに比べると脂の甘さが際立つといった特徴があります。

ランプ

ランプは、牛の腰からお尻にあたる部位のお肉です。イチボと同じもも肉ですが、イチボに比べるとランプの方が腰に近い位置にあります。ランプはイチボよりも脂が少なく、あっさりと食べられるのが特徴です。油とお肉の味わいを両方楽しみたい人はイチボ、脂身をなるべく避けたい人はランプがオススメだといえます。

ミスジ

イチボもミスジも希少価値が高く、きめ細かい霜降りが入りやすい特徴を持つ部位です。ミスジは牛の肩甲骨の裏側周辺にあたる部位であり、イチボと同じくよく動かす場所でありながら柔らかな肉質が特徴です。イチボと比べると、さらにプリっとした食感があります。

 

イチボを美味しく食べる方法

希少部位であるイチボをさらに美味しく食べるには、以下の3つのポイントに意識しましょう。

 

  • レア〜ミディアムレアで食べるのがオススメ
  • 厚切りの場合はゆっくり火を入れる
  • 楽しみ方に合わせて味を変えよう

 

レア〜ミディアムレアで食べるのがオススメ

イチボを焼肉やステーキなどで楽しむ場合は、よく焼きすぎないレア〜ミディアムレアの焼き加減がオススメです。火の入りが早いため、焼きすぎないよう弱火でじっくりと表面だけを焼き上げましょう。火を入れすぎると、イチボ独特の香りや旨み、食感が損なわれてしまいます。

厚切りの場合はゆっくり火を入れる

イチボの身が厚い場合、中心をレア〜ミディアムレアに焼き上げるにはコツが必要です。両面を1分程度焼いて2回ひっくり返し、じっくりと火を入れることで美味しく食べることができます。焼肉店では、薄切りで提供されることが多いです。

楽しみ方に合わせて味を変えよう

イチボ独特の赤身と霜降りのバランスの良い旨みを楽しみたい場合は、塩であっさり食べるのがオススメです。しかし、塩で食べるとイチボ独特の味がクセに感じてしまうかもしれません。クセが気になる場合は、醤油ベースのタレなどの濃い味付けで食べるとすっきり食べることができます。味付けによって風味が変わるのも、イチボの魅力のひとつです。

 

まとめ

イチボは牛のお尻の先にあるもも肉にあたる部位であり、牛1頭につき数kgしかとれない希少部位です。赤身肉の旨みと霜降りの絶妙なバランスが風味の特徴であり、適度な脂の柔らかさとジューシーな歯応えどちらも楽しめます。焼肉やステーキとして食べるのが人気であり、火を通しすぎないレアからミディアムレアがオススメです。

赤身肉の旨みを感じられるイチボは、肉の質が高ければ高いほど美味しさが増します。熊本県合志市にある「焼肉厨房あかいと」は4種類ある和牛のうち約1%しか生産されていない希少なあか牛を使用しているため、どの部位のお肉でも旨みを感じてもらえること間違いありません。ヘルシーで旨みが豊富な焼肉を味わいたい人は、ぜひ一度お越しください。