熊本にはさまざまな名物がありますが、最初に思い浮かべるのは馬刺しという人も多いのではないでしょうか。馬肉にはさまざまな食べ方があり、そのうちのひとつが焼肉です。今回は、馬肉の特徴や馬肉美味しい食べ方、焼肉で食べることのできる馬肉の部位について解説していきます。
熊本名物「馬肉」とは
熊本は馬肉の生産量が全国1位であり、熊本城の城主である加藤清正が馬肉を食べはじめたのが、熊本に馬肉文化が広がるはじまりだといわれています。馬肉は別名桜肉とも呼ばれ、今では熊本だけでなく全国各地で食べることができます。馬肉は栄養価が高く低カロリーで食べられるため、健康志向の人にはとくに人気のお肉です。
馬肉の味の特徴
馬肉は、牛肉や豚肉よりも融点が低いのが特徴です。そのため口の中に入れるととろけるような食感を楽しむことができます。一般的な牛肉や豚肉は脂っぽさを感じることもありますが、馬肉は脂があっても軽さがあり、あっさりとした風味が特徴です。
馬肉の栄養
栄養価が高い馬肉は、牛肉や豚肉よりも健康的なお肉です。それぞれの栄養素の違いは、以下のとおりです。
|
特徴 |
馬肉 |
牛肉 |
豚肉 |
---|---|---|---|---|
たんぱく質 |
体の20%を構成している |
20.1g |
19.0g |
17.0g |
脂質 |
エネルギーになる |
2.5g |
13.3g |
20.5g |
カルシウム |
骨や歯を構成している |
11mg |
4mg |
5mg |
鉄分 |
全身に酸素を運搬する |
4.3mg |
1.9mg |
1.1mg |
グリコーゲン |
たんぱく質の分解を抑える |
2,290mg |
670mg |
433mg |
上記のとおり、馬肉は牛肉や豚肉よりも栄養素が高いです。脂質含有量は低いですが、脂質には1gあたり9kcalものカロリーがあるため、脂質の多さがカロリーの高さにつながります。鉄分はほうれん草やひじきよりも多く、鶏肉の約10倍にもなります。善玉コレステロールと呼ばれる不飽和脂肪酸も多く含まれており、コレステロール値を下げたり血液循環をよくしたりといった効果もあります。
馬肉は、カロリーの低さも特徴のひとつです。牛肉や豚肉と比べると、カロリーは以下のように異なります。
100gあたりの馬肉 |
100gあたりの牛肉 |
100gあたりの豚肉 |
---|---|---|
110kcal |
300kcal |
267kcal |
馬肉の美味しい食べ方
馬肉は、食べ方によって味わい方が異なります。馬肉を美味しく食べるには、以下の3つの食べ方がオススメです。
- 馬刺し
- サクラ鍋
- 焼肉
馬刺し
馬肉を刺身として食べる馬刺しは、馬肉の中でもとくに定番の食べ方です。刻んだネギやおろしにんにく、おろししょうがなどの薬味と一緒に醤油に食べてつけるのが特徴で、赤身の旨みを存分に味わえます。馬刺しは霜降り部分を使うことが多いですが、馬肉の脂は魚の脂の成分に近いため魚の刺身のようにあっさりと食べることができます。
サクラ鍋
馬肉は桜肉とも呼ばれており、サクラ鍋とは馬肉を使った鍋料理のことです。サクラ鍋の作り方は地域によって異なるものの、馬肉、ごぼう、にんじん、キャベツ、きのこなどの具材が入った味噌ベースの鍋が一般的です。味噌と馬肉の相性はよく、サクラ鍋でしか食べられない旨味を感じることができます。サクラ鍋は自宅で作ることもできますが、熊本にはサクラ鍋店も多くあります。
焼肉
馬肉は、焼肉との相性も抜群です。一般的な黒毛和牛の焼肉は胃がもたれるという人は、カロリーが低く脂があっさりとしている馬肉の焼肉はとくにオススメです。火を入れすぎると馬肉の身が固くなってしまうため、焼肉として食べる際はミディアムレア程度に焼きましょう。
焼肉で食べられる馬肉の部位
馬肉には牛と同じさまざまな部位があり、焼肉に適している部位や馬刺しに適している部位があります。ここからは、焼肉として馬肉を食べる際のオススメの部位を見ていきましょう。
- 上バラ
- 上カルビ
- サガリ
- ハラミ
- ホルモン
上バラ
上バラは、馬肉の脂の味わいを堪能できる部位です。馬肉の脂には香ばしさと旨みがたっぷり含まれていながら、あっさりしているのが特徴です。上バラは馬刺しの中でも脂が多く含まれているので、馬肉の脂を存分に味わうことができます。焼いているときの匂いから注目してみてください。
上カルビ
牛と同じく、カルビは馬の肋骨周辺にあたる部位のお肉です。上バラと同じく脂が多く、馬肉の旨みを楽しむことができます。上バラよりも歯応えがあるので、しっかりと馬肉の味を噛み締めたい人にとくにオススメです。カルビはヒモという名で扱われていることもあります。
サガリ
サガリは、横隔膜の内側にある部位のお肉です。上バラや上カルビよりは脂が少なく、肉質が柔らかいのであっさりと柔らかい馬肉を楽しむことができます。馬肉の脂はあっさりしていますが、さらにあっさりしたお肉を食べたいという人は馬肉のサガリがオススメです。
ハラミ
ハラミも、サガリと同じ横隔膜の部位のお肉です。サガリと異なり横隔膜の外側についており、繊維が粗くサガリよりはしっかりとした歯応えがあります。サガリよりも脂が多い特徴があるので、サガリでは物足りない人は馬肉のハラミを選ぶといいでしょう。
ホルモン
「普通の馬肉は食べ飽きた」「変わった部位の馬肉が食べたい」という人は、馬肉ホルモンがオススメです。大腸や小腸が一般的であり、牛肉のホルモンのような歯応えが楽しめます。牛のホルモンよりも肉厚で風味が強いので、クセが苦手な人は一度茹でてから炙り焼きすると余計な脂を落とすことができます。
まとめ
熊本が誇る特産品の馬肉は、牛肉や豚肉より低カロリー・高栄養のため健康志向の人にとくにオススメしたいお肉です。馬刺しとして食べるのが有名ですが、鍋料理や焼肉としても味わうことができます。熊本に訪れた際は、さまざまな食べ方で馬肉を楽しんでみてください。
熊本名産のお肉には、馬肉だけでなく和牛の一種のあか牛もあります。あか牛は黒毛和牛よりも脂身が少なく、馬刺しのようにあっさり食べることができます。熊本であか牛を堪能したい人は、熊本県合志市にある「焼肉厨房あかいと」にご来店ください。