ロースといえば、カルビやハラミと並ぶ焼肉の代表的な部位のひとつです。焼肉店に行くと、ロースを必ず注文するという人も多いでしょう。しかし、味の特徴やほかのお肉との違いを知っている人は少ないのではないでしょうか。今回は、ロースの部位の説明や味や風味の特徴、ほかのお肉との違いについて解説していきます。
牛肉の部位の「ロース」とは
焼肉屋に行くと必ずといっていいほど目にするロースですが、実は特定の部位の名前ではありません。ロースは、牛の肩から腰にかけたお肉の部位を指す言葉です。ロースの語源は「焼く」を意味するローストから来ており、ロースは加熱料理に適したお肉であるという意味なのです。
ロースに含まれる焼肉の部位
牛の大部分を占めるロースは、以下の3つの部位で構成されています。
- 肩ロース
- リブロース
- サーロイン
■肩ロース
肩ロースは、肩から背中にあたる部位であり、ロースの中では一番頭に近い部位です。牛肉の中では大きな部位のひとつであり、焼肉の希少部位とされる「ザブトン」や「クラシタ」は肩ロースの中にある部位です。肩ロースは牛がよく動かす部位のためほどよい食感が特徴であり、焼肉やすき焼きのような薄切りの料理に適しています。
■リブロース
リブロースは肩ロースとサーロインの間にある部位で、内側のリブロース芯と外側のカブリに細かく分けることができます。リブロースは牛があまり動かさない部位であり、ロースの中で最もきめ細かな霜降りが特徴です。リブロースはすき焼きやしゃぶしゃぶ、ステーキなどでよく使われる部位のお肉です。
■サーロイン
サーロインは牛の腰上部にあたる部位であり、ロースの中では一番後方の部位です。サーロインはリブロースと同じくあまり動かす部位ではないため、霜降りが入りやすい特徴があります。サーロインは牛にしかない部位であり、牛肉の王様と評されるほど人気の高い部位のお肉です。
ロースのカロリー
ロースのカロリーは、上記で紹介した部位ごとに異なります。カロリーは霜降りの量などでも変わるため、あくまで目安として参考にしてください。
- 和牛肩ロース:100gあたり約410kcal
- 和牛リブロース:100gあたり約470kcal
- 和牛サーロイン:100gあたり約500kcal
カロリーは脂の量と大きく関係しており、脂の多いサーロインはロースの中で一番カロリーが高いです。ほかの牛肉の部位と比較しても、ロースはカロリーが高めの部位だといえます。
<ほかの部位のカロリー>
- 和牛カルビ:100gあたり約520kcal
- 牛ハラミ:100gあたり約320kcal
- ミスジ:100gあたり約200kcal
ロースの特徴
ロースの特徴は、3つの部位によって異なります。それぞれの味や風味の特徴を見ていきましょう。
肩ロースの特徴
ロースの中で一番カロリーが低い部位である肩ロースは、その分脂肪が少なく肉質は硬めです。ロースの中では肉の味が濃厚であるため、歯応えある食感で噛めば噛むほど肉の旨みを感じることができます。筋肉量が多い肩ロースは筋があるため、薄切りにしてしゃぶしゃぶやすき焼きとして使われることが多いです。
リブロースの特徴
リブロースは、肉質がきめ細かく霜降りが入りやすいのが特徴です。リブロースの部位は筋肉量が少ないため、適度な脂の甘みと赤身肉の旨みを両方感じることができます。ロースの中でもサーロインと並ぶ柔らかな部位でありながらサーロインよりも脂の量が少ないため、カロリーが気になる人はサーロインよりもリブロースがオススメです。
サーロインの特徴
サーロインは牛の背骨にのっているだけの部位のため、筋肉量がほとんどなく上質な霜降りが味わえる特徴があります。上質な霜降りであれば融点が低いため、口の中に入れただけでとろけるような食感と脂の甘みを感じることができます。肉質が柔らかいので、厚切りにしてステーキとして食べるのがオススメです。
ロースとほかの部位の違い
焼肉やステーキで定番のロースですが、ほかのお肉とどのような違いがあるかをご存じでしょうか。ここからはロースと並ぶ代表的な3種類のお肉との違いを解説していきます。
カルビとの違い
カルビは、牛の肋骨周辺の部位のお肉の総称です。ロースが背中付近のお肉であるのに比べて、カルビはお腹付近のお肉であるというのが大きな違いのひとつです。ロースに比べると、カルビはさらに脂がのっているのが特徴であり、ロースよりもこってりとした味わいがあります。
ハラミとの違い
赤身肉と思われがちなハラミですが、実は横隔膜のお肉でありホルモンに分類される部位です。味や肉質は赤身肉に近いものの、ロースに比べてあっさり食べることができます。肉の旨みをヘルシーに味わいたいという人は、ハラミがオススメです。
ヒレとの違い
牛のヒレは、ステーキ店などでロースと並んで人気が高い部位です。ヒレはサーロインの内側にある腰椎を挟んで位置する部位であり、牛1頭からわずかにしか取れない希少部位です。ヒレはロースと比べると脂が少なく、あっさりと味わうことができます。ほとんど動かさない部位であるため牛肉の中でも特に食感が柔らかく、赤身の旨みにあふれています。
まとめ
牛のロースは肩から腰にかけた牛の部位の総称であり、正確には肩ロース・リブロース・サーロインの3つの部位に分類されます。部位によって特徴は異なり、肩ロースは歯応えがあり赤身が多い部位、リブロースとサーロインは脂が多く柔らかな部位であるのが特徴です。
熊本県合志市にある「焼肉厨房あかいと」では、ロース・上ロース・特選ロースとさまざまな種類のロースを提供しています。当店で使用している牛は、余計な脂肪が少なく赤身本来の旨みが特徴のあか牛であるため、カロリーが高めなロースでもあっさりとヘルシーに召し上がっていただけます。