希少部位のミスジってどんなお肉?特徴や味・カロリーについて解説!

ミスジ

焼肉店などでメニューを見ていると、カルビやハラミなどの定番のお肉に並んでミスジという部位のお肉を目にしたことのある人も多いでしょう。実は、ミスジは牛肉の中でも希少価値の高い部位であることをご存じでしょうか。今回は、ミスジの部位や味やカロリーなどの特徴、ミスジの美味しい食べ方について解説していきます。

 

牛肉の部位の「ミスジ」とは

牛肉の部位のひとつであるミスジは、牛の肩甲骨の裏側周辺にあたる部位です。牛の肩甲骨には3本の筋が入っており、3つの筋でミスジと呼ばれるようになりました。ミスジの形が火打ち石の形に似ていることから、店によってはヒウチと呼ばれることもあります。

一般的に、お肉はよく動かす部分が硬くなりやすく、あまり動かさない部分は柔らかいといわれています。牛の腕や肩周辺は運動量が多くよく動かす部分であるものの、肩甲骨の裏側は動かす機会が少ないため食感が柔らかいのが特徴です。あまり動かさない部位のため繊維が細かくなり、腕の部位の中で霜降りが一番入りやすいです。そのため、独特な食感と脂の口溶けを楽しむことができます。

ミスジは牛1頭から数kgしか取れない希少部位であり、どの焼肉店でも扱っている部位ではありません。一部の焼肉店では特上カルビとして提供されており、一般的なお肉よりも値段が高くなりやすいです。

 

ミスジの味の特徴

希少部位であるミスジは、カルビやバラ肉と比べると舌触りがとろけるように滑らかであり、より優しい味わいをもつ部位です。柔らかさの中に肉本来のジューシーな食感もあり、食べ応えを感じることもできます。口の中でほどけるような脂の甘みと、牛肉ならではのコクを楽しめるのもミスジの特徴です。脂の旨みを感じながら、後味がさっぱりしているのもミスジの魅力のひとつだといえます。

ミスジのカロリー

牛のミスジのカロリーは、100gあたり約200kcalです。牛ハラミのカロリーが100gあたり約320kcal、和牛カルビのカロリーが100gあたり約520kcal、和牛肩ロースのカロリーが100gあたり約410kcalのため、これらの部位のお肉よりはヘルシーに食べることができます。

ミスジの栄養

ミスジを含んだ牛の肩肉には、以下の栄養素が含まれています。

 

  • たんぱく質
  • ビタミンB2
  • 亜鉛

 

■たんぱく質
三大栄養素であるたんぱく質は、体を動かす栄養素として人間の体にはなくてはならないエネルギー源です。人間の体の15〜20%はたんぱく質でできているため、健康な体にはたんぱく質が欠かせません。ミスジなどのお肉をしっかり食べることで、1日に必要なたんぱく質の量を補うことができます。

 

■ビタミンB2
ビタミンB2は、たんぱく質や資質の代謝やエネルギーを作るために必要な栄養素のひとつです。とくに皮膚や粘膜、髪や爪などの細胞の再生に役立つため、発育のビタミンとも呼ばれています。脂質を分解してエネルギーに変えるため、脂質を摂りすぎている人にはとくに重要な栄養素だといえます。

 

■鉄
鉄は赤血球の材料になる栄養素であり、全身に酸素を運ぶ役割があります。人間は鉄が不足しがちなため、鉄分を多く含む食材を積極的に食べて鉄を補わなければいけません。鉄には動物性食品に含まれるヘム鉄と植物性商品に含まれる非ヘム鉄の2種類があり、ミスジにはヘム鉄が多く含まれています。

 

■亜鉛
亜鉛は、酵素の構成やホルモンの合成、免疫反応の調節などに作用する栄養素です。体の成長と維持に必要不可欠ですが、体内で作ることができないため食品で補わなければいけません。亜鉛が不足すると免疫不全が起こる可能性もあるため、日頃から亜鉛を積極的に摂ることが重要です。

 

ミスジの美味しい食べ方

ミスジ本来の旨みを美味しく味わうためには、以下の4つのポイントを押さえておきましょう。

 

  • 焼肉やステーキで食べよう
  • タレと合わせるのがオススメ
  • 焼きすぎるとパサパサするので注意
  • 焼く前は常温に戻しておく

 

焼肉やステーキで食べよう

店によっては、ミスジをすき焼きやしゃぶしゃぶで提供するところもあります。しかし、ミスジは牛肉本来の旨みが味わえる部位なので焼肉やステーキとして食べるのがオススメです。焼肉店に行った際は、ミスジが提供されているかを確認してみましょう。

タレと合わせるのがオススメ

ミスジは肉自体にコクがあるため、塩やわさび醤油などさっぱりとした味で食べると肉本来の味が楽しめます。しかし、さらに美味しく食べるなら、醤油ベースの濃厚なタレと合わせるのがオススメです。にんにくなどしっかりとした味わいのタレとの相性もぴったりです。お酒と合わせる際は、赤ワインなどしっかりした味わいのものが適しています。

焼きすぎるとパサパサするので注意

ミスジは水分量が少ない部位のため、火を入れすぎると脂が落ち硬くパサパサした食感になってしまいます。ミスジを美味しく食べるには、ミディアムレア程度の焼き加減がオススメです。ミスジを美味しく食べるには、以下の手順で焼き上げましょう。

 

  1. :片面を強火で表面を軽く焼く
  2. :脂が溶け出したらひっくり返す
  3. :もう片面を焼き目がつく程度に火を入れる

 

ミスジの中の脂がしっかり溶ける程度に火を入れるのがオススメです。両面焼き目がついたら、素早く食べましょう。

焼く前は常温に戻しておく

冷たい状態のミスジを焼くと火が均一に入らないため、焼く前に必ず常温に戻しておきましょう。冷蔵庫から出して30分以上置くのが目安です。冷凍肉の場合は、常温に戻す前に冷蔵庫で解凍させる必要があります。冷凍状態から急に常温にしてしまうと、急な温度変化で肉の旨みが逃げてしまいます。焼肉店でミスジを食べる場合は、すぐに美味しく食べられる状態で提供されるのが一般的なのでご安心ください。

 

まとめ

牛1頭から数gしか取れない希少部位であるミスジは、牛の肩甲骨の裏側にあたる部位のお肉です。柔らかさとジューシーさのバランスが絶妙であり、口の中でほどける脂の甘みと牛肉本来の味を楽しむことができます。カルビやハラミに比べてカロリーが低く、さまざまな栄養素が含まれているのが特徴です。

ミスジを美味しく食べるためには、今回紹介した4つのポイントを意識しましょう。手間なく美味しくミスジを食べたい人は、焼肉店がオススメです。熊本県合志市にある「焼肉厨房あかいと」では、特選カルビとしてミスジを提供しています。熊本が誇る和牛の約1%のみを占めるあか牛を使用しており、通常のミスジよりもさらに旨みと柔らかさを感じていただけます。