焼肉店に行くと、さまざまな部位があるためメニュー選びに迷った経験はないでしょうか。そんな悩みも、焼肉で使われる部位ごとの特徴を知っておくことで、解消されますよ。今回は、焼肉で使われる人気の15種類の部位について解説していきます。
牛肉の基本部位は11種類
農林水産省によると、牛肉の部位は以下の11種類に分類されます。
部位の名前 |
場所 |
特徴 |
---|---|---|
ネック |
首周りのお肉 |
赤身が多く脂肪分が少ない、食感は硬め |
かた |
腕周辺のお肉 |
赤身と旨みが多い、食感はやや硬め |
かたロース |
肩から背中周辺のお肉 |
キメが細かく濃厚な味がある、食感は柔らかめ |
リブロース |
肋骨周辺の背中のお肉 |
キメが細かく霜降りが多い、食感は柔らかめ |
サーロイン |
腰周辺のお肉 |
甘みとジューシーな霜降りがある、食感は柔らかめ |
ヒレ |
サーロインの下にあるお肉 |
牛肉の中で最高級の赤身肉、食感は柔らかめ |
ランプ |
腰・お尻・もも周辺のお肉 |
キメが細かく上品な味わい、食感はももより柔らかめ |
そともも |
ももの外側にあるお肉 |
キメが細かく高タンパク質、食感は硬め |
もも |
後ろ足の付け根のお肉 |
脂肪が少ない赤み、食感はそとももよりも柔らかめ |
すね |
すねのお肉 |
脂肪がほとんどなくゼラチン質、食感は硬め |
ばら |
あばら周辺のお肉 |
肩に近いほど赤身が多く、後ろに近いほど霜降りが多い |
しかし、焼肉店でよく見かけるカルビやロースの名前はありませんよね。上記はあくまでも牛肉の基本的な部位であり、焼肉店ではさらに部位が細かく分類されて提供されています。ここからは、焼肉店でよく提供される場所ごとの部位について紹介していきます。
焼肉の部位|かた・腰・もも系
牛の肩からももにかけた場所の中で、焼肉でよく使われる部位は以下の5つです。
- ロース
- ミスジ
- ヒレ
- イチボ
- ランプ
ロース
ロースは、肩や背中・ももなどの部位を中心に、カルビ以外の精肉を指しているのが定義だとされています。そのためロースの具体的な部位はなく、かたロース・リブロース・サーロイン・ヒレなどの部位を一括にまとめた総称です。カルビよりも脂が少なく、あっさりと食べられる特徴があります。
ミスジ
ミスジは、牛の肩甲骨の裏側にある焼肉の部位です。肩の部位でありながら肩甲骨の裏は動かす機会が少ないため、食感が柔らかく肩の部位で最もサシが入っています。脂がのったとろけるような舌触りが特徴で、後味がさっぱりしているのも魅力のひとつです。
ヒレ
ヒレは、サーロインの内側にある腰椎に沿った焼肉の部位です。脂肪分が少なくキメの細かい肉質が特徴で、赤身肉のわりに非常に柔らかい肉質をもっています。
イチボ
イチボは、お尻の先にあるもも肉の部位です。牛1頭あたりから約2〜4kgしか取れない希少部位であり、赤身肉の旨みと上品な脂の甘みをどちらも感じることができます。ジューシーでありながらあっさりしているのも特徴です。
ランプ
ランプは腰からもも・お尻にかけた部位であり、筋肉の動きが少ないのでもも肉の中でも比較的柔らかい部分です。赤身肉の中にほどよく脂がのっているため、脂が苦手な人にも人気の高い部位だといえます。
焼肉の部位|ばら系
牛のあばら周辺の部位であるばらの中で、焼肉によく使われる部位は以下の3つが挙げられます。
- カルビ
- カイノミ
- ゲタ
カルビ
焼肉の王道メニューでもあるカルビは、バラ肉の中で背中部分にあたる中バラにあたる部位です。肉質自体は硬めですが、脂身が細かく入っているので食感は柔らかく感じます。肉質がいいカルビであれば、口に入れた瞬間に旨みがあふれます。
カイノミ
カイノミは、カルビと同じ中バラの後ろ側に位置している焼肉の部位です。バラ肉のジューシーな旨味にほんのりと脂がのっており、赤身と脂身を一度に楽しむことができます。カルビよりも脂の量が少ないため、あっさり食べることができるのも魅力です。
ゲタ
ゲタは、カルビ・カイノミと同じく中バラにあたる部位の焼肉であり、筋繊維や筋膜が多いためほかの中バラ肉と比べるとやや硬め歯応えがあります。噛み応えのある赤身肉を食べたい人は、ゲタがとくにです。
焼肉の部位|内臓系
焼肉店では、牛の内臓もホルモンとして好まれています。店舗によってはホルモンというメニューで複数の種類の部位がミックスされて提供されていることもありますが、個別の部位も人気が高いです。焼肉店でとくに人気の高いホルモンの部位は以下の7つです。
- ハラミ
- タン
- 丸腸
- ミノ
- センマイ
- ハツ
- ツラミ
ハラミ
焼肉で定番のハラミは赤身肉と思われがちですが、実は横隔膜の筋肉にあたる部位のためホルモンに分類されます。ハラミはカルビのような赤身肉の旨みがありながら、比較的あっさり食べられるのも特徴です。
タン
牛の舌の部位であるタンも、ホルモンの一種です。タンの中でもタン元・タン中・タン下の3種類に分かれ、焼肉でよく使われるのがタン中の部位にあたります。タン中は脂肪分が多く、歯応えのある食感が特徴です。
丸腸
丸腸はころっとした丸い形が特徴的であり、牛の小腸にあたる部位のホルモンです。牛の小腸の外側には脂がついており、丸腸はその脂を切り離さずに裏返すためプリっとした食感と口に広がる脂の旨みが特徴です。
ミノ
ミノは、牛の第1胃袋にあたる焼肉の部位です。コリコリと歯応えのある食感が特徴で、ほかのホルモンよりも脂身が少ないためあっさり食べることができます。
センマイ
センマイは、牛の第3胃袋にあたる焼肉の部位です。何枚もヒダがある見た目が特徴で、ホルモンの中でも低カロリーであっさりと食べることができます。センマイは焼肉としても人気ですが、ボイルしてセンマイ刺としても人気があります。
ハツ
ハツは牛の心臓にあたる部位で、ハーツやハツモトとも呼ばれることがあるホルモンです。臭みやクセが少なく、赤身肉のような旨みを含んでいます。焼肉としてはもちろん、ハツ刺として生で食べることもできます。
ツラミ
ツラミは、牛の頬にあたる部位のホルモンです。牛の頬は運動量が多いため、歯応えがありムチムチとした食感を楽しむことができます。クセが少なく、濃厚な旨みを多く含んだ焼肉の部位です。
まとめ
牛にはさまざまな部位があり、今回は焼肉として使われる人気の部位を15つ紹介しました。それぞれの部位によって味や肉質が変わるため、さまざまな部位を食べ比べてお気に入りの焼肉の部位を探していてはいかがでしょうか。
熊本県合志市にある「焼肉厨房あかいと」は、さまざまな焼肉の部位をご用意しています。熊本特産の脂肪分が少なく旨みが多いあか牛を使用しているため、栄養価の高いヘルシーな牛肉をお召し上がりいただけます。